今回は、バイナリエディタを開いて何となくROMの中身を眺めていたところ気が付いた事について記述します。
ドラゴンクエストⅠ・ⅡのROM仕様ははSlowLoROMという最もありふれた仕様(低速スキップ)なのですが、どういう事かプログラム中にはFastLoROM(高速スキップ)への切り替え命令が含まれています。これはSLGなど通常よりも高速の思考ルーチンを必要とする作品でよく見られる仕様(「紋章の謎」も高速スキップROMです)ですが、カートリッジを分解して中身を確認したところ当然ながら使用されているROMや基盤はSiowLoROM仕様のものが使われていましたので、残念ながらプログラムが高速処理されている訳ではありませんでした。更に一応007FC0から始まるソフトの仕様の記述を確認しましたが、やはり007FD5に設定されているROM仕様の指定が「20」になっています。高速スキップならばこの部分が「30」でないと切り替え命令が無効化されてしまいますので、開発中は処理速度を考慮して高速仕様でプログラムを組んでいたものの、実際に実機でプログラムを起動させてみたところ低速仕様でも十分な速度が得られたのか、または当時のROMの価格などの関係で利益を優先すべく低速仕様に変更したのかもしれません。
検証としてこの部分を30に置き換えたところ、気のせいかもしれませんが歩行時のグラフィック描画のカクつきや戦闘時の敵の行動(敵の行動に関してはⅡ)などが僅かながら速くなったように感じます。パッチにするまでもないのですが、バイナリエディタを使用できない環境でどんな感じなのか試してみたい方は以下のURLからダウンロードして下さい。
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